どちらが高く車を売ることができる?中古車の買取と下取りの違いを解説

テレビコマーシャルなどで、『下取り』よりも『買取り』

なんて流れているから、マイカーの乗り換え時には「下取りよりも買取りを利用したほうがお得!」というのはもはや常識。

インターネットを利用して車買取りのコツを紹介するサイトも増えているので、賢い消費者は下取りは査定額が安いから損をすることを知っています。

さて、この『下取り』と『買取り』

もしかするとみなさんの中には「どっちも一緒でしょ?言い方が違うだけなんじゃない?」なんて思っている方がいるのではないでしょうか?

ハッキリ言っておきますが、自動車の『下取り』と『買取』は全く違うものです。

ここでは、自動車の下取りと買取について、両者の違いやメリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。

中古車の下取りと買取はどこが違うの?

今、この記事を読んでいる読者の方で、車の「下取り」と「買取り」の違いをキチンと説明できるぞ!という方は、おそらく半数もいないでしょう。

無理もありません。だって、自動車の下取りと買取は、その車の持ち主にとってはどちらも乗っていた車をお金に換えることという意味合いであって、大差はないんです。

でも、自動車の下取りと買取はシーンや目的によっては大きな差が生じることもあります。

まずは自動車の下取りと買取の違いを詳しく解説していきましょう。

中古車の下取りとは

日常生活において「下取り」という言葉が登場する機会はたくさんあります。

例えば、

  • スマホの機種変更で、これまで使っていた機種をショップに下取りしてもらった
  • 冷蔵庫を買い替えた際に、古い冷蔵庫を家電量販店で下取りしてもらった

某有名通販番組では「このテレビをお買い上げの方に限り、ご家庭にあるどんな古いテレビでも1万円で下取り!」なんて驚きの宣伝もしていましたね。

例を見ていただければ分かるとおりで『下取り』とは、新しい商品を購入することを条件に、古い商品を買い取ってもらう契約のことを指します。

この下取りの定義を自動車に当てはめてみると、「ディーラーや中古車屋さんで、新規で車を購入することを条件に、これまで乗っていた車を買い取ってもらう」という意味になりますね。

新車を購入するときはディーラーで下取りするという習慣がついている

あなたはこんな経験がありませんか?

  1. ディーラーにちょっと冷やかし気分で立ち寄ったところ、憧れのハイクラスワゴンの試乗車があった。
  2. 試乗してみると「やっぱりコレがいいな!」と気分は最高!
  3. 営業マンに勧められて、現在のマイカーの下取り査定を含めた見積りを出してもらったところ、思いのほか下取り価格も良くてローンの支払いにも無理がなかったので「手が届くじゃん!」となる。
  4. 営業マンから「下取りはサービス価格で上乗せしてるんで、今が乗り換えのベストタイミングですよ」と勧められて「それなら…」とその日のうちに契約。

これ、実は筆者である私の実体験です。私の経験談ではあるんですけど、おそらく大多数の方がディーラーや中古車販売店で同じ経験をしているはず。

そう、自動車販売の業界では、新車を扱うディーラーにしろ、中古車販売店にしろ、「 ウチで車を下取りするから、新しく車を買ってくれませんか? 」という手法で販売を促進する習慣が強く根付いているんです。

しかも、消費者サイドでも「車を下取りに出して新車を買う」という習慣が長らく続いていたので、あまり疑問に感じず当然のように営業マンの勧めに従って下取りをしてもらう方が多いのが現状です。

下取りのメリット

いまだに多くの方が利用している自動車の「下取り」ですが、メリットとデメリットがあります。

まずはイイ話から聞いたほうが耳ざわりが良いので、メリットを紹介しましょう。

下取りのメリットは

  • 走行距離が多かったり、年式が古過ぎるなど、ほとんど価値がないような車でも値をつけてくれることがある
  • やり取りが1社のみで、手続きが煩わしくない

という点です。

10年を超えて乗っていたような車では、価値がつかないばかりか処分にもお金がかかってしまいマイナスを被ってしまうことも。

その点、下取りなら「新規で車を買い取ってもらいたい」というサービスの一環として、わずかながらの値をつけてくれることがあります。

もし5万円だけでも値をつけてくれれば、オプション装備分の1つ・2つ分が捻出できることになるので、特に過走行・低年式の車に乗っている方なら下取りがおトクになるケースが多くなります。

下取りのデメリット

一方のデメリットですが、

  • 「高く査定している」と言われても、相手が1社だけなので本当なのか疑問
  • ほかの買取り業者に査定してもらえば、1社だけの言い値ではなく、もっと高値になることもアリ
  • ディーラーの場合、対象車のメーカーによって査定額が下がることがある

という点が挙げられます。

いくら営業マンが「もう価値がないから他社では0円査定になるけど、サービスで10万円で下取ります」と言っても、それが本当かどうかは分かりません。

もしかすると、車買取りの専門業者に査定してもらえば、数十万円の値がつくかも知れませんからね。

また、ディーラーで下取りをしてもらう場合、例えばトヨタで下取りをしてもらうのにニッサンやホンダの車では査定額が下げられる傾向があります。

いずれにしても、下取りは「ディーラーや中古車販売店が、中古車の相場や中古車査定に精通していない」ため、車本来の正確な価値を見出せないという点が大きなマイナス要素となります。

中古車の買取とは

自動車の『買取り』とは、読んで字のごとく、車を相当のお値段で買い取ってもらうことです。

ここで『下取り』と『買取り』の差がハッキリと出るのが、

  • 『下取り』は同じディーラー・業者で新たに車を購入するのが条件
  • 『買取り』は車購入などの条件がなく、ただ車を売却する

という違いです。

下取りと買取りは、車の持ち主としては「車をお金に換える」という意味ではほぼ同じ意味になりますが、その裏ではシステムが大きく異なっています。

まず『下取り』は、実は下取りした車をさらに中古車として販売することを目的としていません。

あくまでも最終目的は「自社で新たに車を購入してもらうこと」であり、下取りはサービスの一環です。

だから、走行距離が伸びていたり、年式が古くて全く価値がないような車でも下取りで価値をつけることができるのです。

もちろん、価値がある車は中古車として販売し、そこでも利益を得ることになりますが、それは後処理のお話であって下取りの目的ではありません。

一方の『買取り』の目的は「買い取った車をさらに中古車として販売するため」です。“ 買取り=『仕入れ』 ”だと言えば、もっと分かりやすいでしょう。

車買取り業者は、必ず中古車を販売するルートを持っています。中古車を探しにきたお客さまがどんな車を望んでいても確実に対応できるように、たくさんの車を仕入れて在庫しておく必要があります。

下取りより高いお金を出して買い取ったとしても、確実に販売してより多くの利益を得ることができるシステムを持っているので痛くないのです。

車買取りの専門業者といえば、

  • ガリバー
  • アップル
  • ビッグモーター

などが全国に展開しており有名ですね。あなたの街にもきっとあるはずです。

実際に車買取り業者を利用した方のクチコミを見てみると

  • ディーラーでは0円査定だったので諦めかけていたが、G社に査定してもらったら50万円の値がついて驚いた
  • ディーラーの下取り価格よりも査定額が20万円アップしたので、A社に買い取ってもらって差額で新車のグレードをアップさせた

などの体験談が多く、下取りよりも買取りのほうがおトクになるケースが多いことが分かります。

買取のメリット

下取りよりも高い値がつきやすい『買取り』。非常に魅力的ですがメリットとデメリットをよく理解しておきましょう。

まず買取りのメリットですが

  • 車買取り業者はたくさんの車を仕入れたいので、下取りよりも高い値がつきやすい
  • 専門の査定士が厳密に査定するので、車本来の正確な価値を決めてくれる
  • 下取りのように「同じ業者で車を買う」という縛りがない
  • 複数の車買取り業者に査定をしてもらうことができるので、業者同士で競合させて値を上げることも可能
  • 車を現金に換えることができる

という点が挙げられます。

これまで乗ってきた大切な車に少しでも高い価値をつけてくれることは大きな魅力ですよね。

新車購入のための買取りだったとしても予算額の幅が広がるので「諦めていたオーディオを付けてもらおうかな」なんて楽しみも増えます。

買取のデメリット

ところが、買取りにはこのようなデメリットがあります。

  • 相場が存在するため、過走行・高年式の車には価値がつかないことがある
  • 下取りのような「価値がないけど値をつけます」というサービスは期待できない
  • 引き渡しの期日が買取り業者によって決められるため、新車が納車待ちになると車がない状態になることもある

あくまでも車買取り業者は「仕入れた車を次のお客さまに販売する」という目的のもとに買取りをおこなうため、全く価値がない車は買い取ってもらえないおそれがあります。

また、人気車の購入のために車買取り業者を利用すると、車を売ってお金を得たのは良いが新車の納車が2ヶ月待ちでその間は車が1台もない、なんて事態に陥ることも。
車がない生活なんて不便ですよね。

車買取り業者で車を高く売って人気車の購入資金に充てるというプランを立てている場合は、車の引き渡しと納車のタイミングをしっかりと把握して対策を立てる必要があることを覚えておきましょう。

気をつけておきたい現金化のタイミング

リサイクルショップで不用品を買い取ってもらうと、その場で現金化することができますよね。でも、車買取りになるとこの点はちょっと変わってきます。

ほとんどの車買取り業者では、買取り→現金化について「概ね1週間程度の時間がかかる」とアナウンスしています。

この点について、実際に某大手の車買取り業者の店長さんに理由をお伺いしたところ、このような回答でした。

  • 車を持ってきてもらい、すぐにお金を渡していると「実はトラブルを抱えたワケありだった」というケースを見抜くことができない
  • 1週間程度の時間を頂くのは、権利関係や納税関係に問題はないかをチェックする調査期間だと思って欲しい

確かに、車を仕入れて次のお客さまに販売することを目的としている車買取り業者としては、ワケあり車を販売するわけにはいきませんからね。

例えば盗難車を買い取ってしまい、さらにその車を別のお客さまが購入してしまえば、もし盗難車だと判れば購入したお客さまであっても警察に車を押収されてしまうおそれがあります。

お話をお伺いした店長さんによると、

  • 店頭にきて、買取りが成約すればすぐに現金化できると思って来店する方は非常に多く、その説明をすると「今すぐお金にならないなら意味がない」と激昂して帰る方もいる
  • 店頭で現金を渡すのではなく、ご指定の金融機関の口座に振込むシステムになっている業者がほとんど

買取り→現金化には最低でも1週間程度の時間がかかることを覚えておきましょう。

下取りと買取どっちが高く売ることができるのか

自動車の下取りと買取りの違いを比較してきましたが、みなさんが気になるところは「結局、どっちらお得なの?」という点でしょう。

この疑問には「シーン、目的、車の状態による」とお答えするのが正解です。

下取りが有効なのは

下取りしてくれる業者で新たに車を購入する予定で、下取りしてもらう車の価値がほとんどない場合

買取が有効なのは

  • 中古車の相場や正確な査定をすれば、下取りよりも高い値がつくことが期待できる場合
  • 新たに車を購入する予定がない、単なる現金化を目的とした場合

です。

ご自身がどちらに当てはまるのかをよく見極めて、下取りと買取りを賢く使い分けましょう。

本当に「下取り」は安いのか!?

マイカーの乗り換え時には「下取りよりも買取りを利用したほうがお得!」というのはもはや常識。

インターネットを利用して車買取りのコツを紹介するサイトも増えているので、賢い消費者は「下取りは査定額が安いから損をする」ことを知っています。

では、なぜ新車を買い換える方の6〜7割がいまだにディーラーの下取りを利用しているのでしょうか?

そこには、主に新車を販売しているディーラーと、中古車市場との間にある、絶妙なパワーバランスに秘密がありました。

ここでは、みなさんご存じの「下取りは損をする」という事実について、主にディーラーの下取り査定基準に焦点を当てて詳しく解説していきましょう。

早速検証スタート!下取りをした車はダイハツタント

筆者である私、実は非常にうたぐり深い性格をしております。

特にインターネットの情報は、大した根拠もなく堂々とウソを紹介している場合があるため、同じ話題を扱っている複数のサイトを比較したうえで、

さらに新聞や雑誌などの紙媒体でもチェックしなおしたり、専門知識を持っている方やその業界に詳しい方などに確認するほどの徹底ぶり。

だから、どんなに車買取りをオススメしているサイトの「下取りは損をする」という記事を読んでも、自分の目で確かめるまでは信用しません。

もう一度言いますが、自分の目で確かめるまでは信用しません!

そこで、筆者の妻の愛車である『ダイハツ・タント』を使って、本当に下取りは損をするのかを検証してみました。

今回の検証に使用したのは、筆者の妻が「絶対にコレがいい!」とゴリ押ししてきたためディーラーで新車購入した『ダイハツ・タント』です。

スペックは以下のとおり。

  • 車種 ー ダイハツ・タント
  • 年式 ー 平成20年(2008年)式
  • ランク ー カスタムRS
  • 走行距離 ー 約14万㎞
  • 新車購入時の価格 - 車両本体で約160万円

ダイハツ・タントといえば、2003年の初登場時した軽自動車で最大クラスの室内長を誇る超人気車。

中でもターボ装備で押し出し感の強いエアロを標準装備している『カスタム』の人気は高く、若年層から中高年まで幅広い年齢層の支持を得ています。

さて、筆者の妻の愛車ですが、1年につき1万㎞が標準的と言われていることを考えると、ちょっと過走行気味。

私の不在時に内緒で遠出をしていたことがよく分かりますね。

しかも年式はちょうど10年前の、いわゆる『10年落ち』。一体、いくらの値がつくのか…

ディーラーの下取りは「まさか!」の結果に…

さて、わが家のかわいいタントちゃんを下取り査定して頂くのは、自宅から一番近くにあるニッサンのショールーム。

筆者
通勤用なんだけど、通勤距離が長いから運転がラクになるように普通車にしたいんですよね

と買い替えを装って下取り査定へ。

お相手は30歳代の熱心な感じがする営業マン。ちょっと申し訳ないんですが、今回は完全に買い替えの意思ナシなんです。ごめんなさい。

さて、コーヒーを頂きながら待つこと30分、やっと査定の結果が出ました。

さっきまでニコニコと満面の笑みだった営業マンですが、曇り気味の表情でちょっと首を傾げ気味で戻ってきました。

査定士
あのう…申し上げにくいのですが…

とテーブルに出された下取りの見積り書に記載された金額は…

なんと「0円」!

え?0円とかあるの?

とちょっと怒り気味の妻。

中古車屋の前を通るたびに、自分と同じタイプのタントを見つけると値段をチェックしていた妻はすぐさま

中古車屋さんは同じくらいのタントが50万円って…え?ウチの車って0円なの?

と反抗する姿勢を見せますが、怒りと失望で肩が震えて上手く話せない状態に。

このまま話を続けると困惑した妻が「ふん!どうせ実験だからいいのよ!」なんて言い出しそうな雰囲気になったので「もうちょっとよく検討してみますね」と言ってショールームから退散しました。

どうやら、愛車の下取り査定は妻にとってメンタルが耐えられない様子。

検証にリアリティーを持たせようと妻を連れ立ったのは失敗だったようですが、めげずに今度は「メーカーを合わせれば少しは期待が持てるハズ」という甘い期待を胸にダイハツのショールームへ。

今度は50歳代の熟練営業マンがお相手なので、ちょっとは勉強してくれそうな予感です。

やはり待つこと30分、結果は…

査定士
ホントは値がつかないんですけどねぇ…弊社のお車をご愛用ということでサービスさせて頂きましたよ

と提示された査定額が5万円。

それでも5万円?

と声が裏返る妻。

もうこれ以上は何も言うことがないような残念な結果です。妻のメンタルが耐えられそうにないので、ここで検証は終了。

結局、わが家の10年落ちタントは、

  • メーカー外で驚きの0円
  • メーカーを合わせてもわずか5万円

という結果になりました。

車買取り業者での査定結果は…

ディーラーの下取り査定でメンタルに大きなダメージを受けた妻。

これ以上の検証に付き合わせるのは酷に感じますが、ネット上のクチコミでも「下取りが0円でも買取りでは値がついた!」と紹介されているので、メンタル回復のためにもう一度同行させることにしました。

まずはネットの『車の一括査定』でタントちゃんの情報を一斉送信!

すぐに数社からメールが送られてきました。

素早い対応に感心!

肝心の簡易査定の結果は、

  • A社…21万円
  • B社…19万円
  • C社…20万円

と、およそ20万円程度は期待できる流れに。

そこから各社に詳しい査定をしてもらう日取りの連絡をして、実際の買取り査定をしてもらいました。

その結果は…

  • A社…21万円
  • B社…25万円
  • C社…22万円

なんと、ディーラーでは0円、同じメーカーだからという温情を受けても5万円だったのに、車買取り業者なら最高で25万円という高値が付きました!

よかった、これでやっと妻のメンタルが回復しました!

これは間違いなく「ディーラーに下取りで任せてしまうと損をする」と言い切ってしまうことができる結果になりましたね。

うたぐり深い私も、この目で結果を見てやっと信用する気になりましたよ!

みなさんに注目して頂きたいのは、簡易査定と詳しい査定結果の差。

各社とも買取り査定額がアップしていますよね。

ここにはちょっとした裏ワザがあるんですけど、それは後で紹介しますね。

筆者の実証で、実際に『下取り』は損をするということが証明されました。

でも、なぜ同じ自動車を査定してもらったのに、ディーラーは0円で無価値、車買取り業者は20万円以上の値つくのでしょうか?

同じ車なのになぜ下取りは安いのか!?それは新車を買ってもらうためのサービスだから

みなさんはディーラーが車を下取りをする目的って何だと思いますか?中古車として再販するため?

これは間違いではありませんが、それならディーラーでも買取りをしているはずですよね。

だからこの答えでは「半分正解」という程度。

ディーラーが車を下取りする本来の目的、それは「新車を買ってもらうためのサービス」です。

下取りがあってもなくても、ディーラーとしてははっきり言って「どうでもいい」のがホンネなんです。

その証拠に、ディーラーの営業マンの成績は、どんなに上質な車を安値で下取りできて再販すれば大きな利益になるとしても、ネコの額ほども評価されません。

ディーラーの営業マンが評価されるのは「車を売ること」がほとんどで、あとは保険の契約と車検などの入庫がわずかに評価されるのみです。

それでも、新車を購入するためにディーラーのショールームを訪ねてくる人のほとんどが既にマイカーを持っていて、その車を下取りしてもらって新車を買おうと計画しています。

本当はしてもしなくてもどっちでもいい、でも新車を買ってくれるお客さまがみんな期待しているから仕方ない。

これが下取りの正体です。

ディーラーの車下取りは、ディーラーの営業マンが「お車の下取り額を差し引くと、新車の合計額がこんなに安くなりますよ」というセールストークを展開するための販促アイテムだと認識しましょう。

ディーラーの下取りはどんな基準で査定してるの?

ディーラーが下取りを重視していないのは理解できました。だからディーラーの下取りって安いのでしょうか?

いや、待てよ…それなら「当社はどんな車でも他社より高く下取りをします!」と宣伝すれば、もっと客足は増えそうな気がしますね。

でも、そんなことしてるディーラーなんて聞いたことありませんよね。一体、ディーラーではどんな基準で自動車を査定しているのでしょうか?

イエローブックが下取り査定の基準になっている

ディーラーが車下取り査定の基準にしているのが、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が毎月1日に刊行している『イエローブック』です。

中古車価格ガイドブック卸売版、通称『イエローブック』は、自動車販売業者が一定基準に従って適正な査定をおこなうために刊行されている、中古車査定のバイブルのような存在です。

イエローブックは自動車販売業者に限定して販売されており、一般ユーザーには中古車の小売価格をまとめた『シルバーブック』のみが販売されています。

気になるイエローブックの内容ですが、車種・グレード・年式などのデータ別の中古車の最新価格が記載されています。

実際の下取り査定は、この価格から走行距離・内外装の状態・エンジンやタイヤなど自動車が動くための重要な箇所の状態などを確認し、減点方式で価格が決定します。

査定士
イエローブックと同じような存在として『レッドブック』もあるんだよ。レッドブックは有限会社オートガイドが刊行している中古車の最新価格で、イエローブックの情報とほぼ同じ。主に自動車損害保険の業務や民事訴訟などの参考情報に用いられるため、保険会社や官公庁などで活用されているんだ。

イエローブックの価格はオークション相場よりも安いという謎

ディーラーが下取り査定の参考にしているイエローブックで紹介されているのは、中古車の最新の価格。

つまり、イエローブックに準拠して査定しているディーラーの下取り価格は『適正価格』だということになりますよね。

ところが、イエローブックで紹介されている最新価格は、中古車市場を支える『オークション』の相場よりも低い価格になっています。

いまや、中古車の90%以上がオークションによって売買されており、ディーラーが下取りした中古車もほとんどがオークションで売られて市場に出回っています。

中古車市場の価格動向を決めるのはオークションであり、オークションでやり取りされている価格が中古車の相場であると言っても良いでしょう。

このように説明すると「じゃあ、中古車の適正価格ってオークションの相場じゃないの?イエローブックを基準にせずにオークションの相場でウチの車の下取り査定をしてよ!」という声が挙がってもおかしくないですよね?

確かに、マイカーを手放す身としてはそんな主張をしたくなるところですが、よく考えてみてください。

例えば、イエローブックでの評価は50万円、オークションでの相場は60万円の車があり、ディーラーが下取りをしたとします。

イエローブックに準じて50万円で下取りした車をオークションに出して60万円になれば、ディーラーには10万円の儲けが生まれます。

一方で、オークション相場に準じて60万円で下取りした車をオークションに出して60万円で売ったすれば、ディーラーの儲けは0円で、さらにオークションへの出品などの手間を考えればわずかにマイナスが発生します。

さらに、オークション相場に準じて60万円で下取りをしたのに、中古車査定に精通したプロの目が厳しいオークションでは60万円の値が付かず30万円でしか売れなかったとすれば、ディーラーは大赤字。

新車を買ってもらいためだけにしているサービスで30万円もの赤字が生じれば、営業マンは上司から大目玉をくらうことになるでしょう。

このように例にすると、ディーラーの下取り価格の基準になっているイエローブックが、オークション相場よりも安くなっていることにも納得できますね。

ディーラーと車買取り業者の関係

ここまでの説明で「ディーラーの下取り査定や安い理由」は概ね理解できたはず。

そこで、より理解を深めて頂くために、ディーラーと車買取り業者の関係についても触れておきましょう。

テレビコマーシャルなどでも頻繁に紹介されている『車買取り業者』の存在はみなさんご存じですよね?

ガリバー・アップル・ビッグモーターなどの大手車買取り業者は、大々的なコマーシャルの放映と全国への出店で認知度を急速に高めています。

車買取り業者のスゴいところは、中古車に関する『目利きの力』の高さ。

中古車市場の動向に注意して常に最新の情報を入手しているだけでなく、全く同じ状態の車など2台とない中古車の価値を厳密に、正確に査定する技術を持っており、中古車の「本当の価値」を判別してくれます。

ディーラーも日本自動車査定協会が示している車査定の方法・基準に則って下取り査定をしていますが、例えば「先月からこの車種の人気が急上昇している」などのホットな情報までも加味するような余裕はありません。

ディーラーは査定に力を入れるのではなく、あくまでも「新車を売る」ことに力を入れるのがお仕事であり、車買取り業者のような中古車市場の最新の動向などを含めた綿密な査定をする余裕がありません。

それでも、トヨタ・ニッサン・ホンダ・ダイハツ・三菱・スズキ・マツダなどの全国にショールームを持つ主要なメーカーなら、車買取り業者と同じレベルの査定ができるように人員を配置・育成することができるはずなのに、なぜか査定には力を入れません。

なぜなのか?その答えは、ディーラーと車買取り業者の関係を維持するためです。

ディーラーの下取り査定は、中古車のオークション相場よりも安くなっています。

ディーラーとしては「中古車を下取りしても、オークションで販売すれば一応の利益がある」と考えて、下取りした中古車をどんどん中古車市場に流通させます。

流通する中古車の台数が増えると、中古車市場は活発になります。

中古車市場が活発化すると、中古車の乗り換えが車買取り業者が連動している中古車販売店の売上げがアップします。

ディーラーが中古車を市場に流通させることで、車買取り業者と連動している中古車販売店はたくさんの中古車を仕入れて店頭で販売することができます。

さらに、車買取り業者が広く認知されることで「車買取り業者で高く買い取ってもらえば、新車が安く購入できる」という意識が浸透し、新車の売上げもアップします。

また「ディーラーの下取りは安い」という意識が浸透している中で、やはりオークション相場よりも安い価格を提示する下取り価格を見ると、車買取り業者の査定価格がひときわ高値に見えます。

「マイカーが高値で売れる」という意識があれば、新車購入の負担も軽減できるので、ますます新車購入への意欲もわきますね。

このように、新車・中古車に関わらず、ディーラーが下取りをすること、車買取り業者が中古車を買い取ることは、全て“ 自動車販売販売業界の活性化 ”にそれぞれ貢献しているわけです。

  • ディーラーが下取りをすることで中古車が大量に流通する
  • 車買取り業者が下取りよりも高く買い取ることで、ディーラーでの新車販売が促進される

この関係を維持することで、新車と中古車がバランスよく活発に売買されて自動車販売業界が全体的に活性化されているんですね。

「市場の活発化」なんて言うと難しそうに聞こえますが、カンタンにいえば
“ ディーラーと車買取り業者は、お互いの存在が支え合っている ”
ということです。

「下取り査定0円」の怖いカラクリ

筆者も実際に妻のマイカーを使った実証で味わった、ディーラーでの「下取り査定0円」。

みなさんも「10年落ちは値がつかない」というウワサを聞いたことがあるでしょう。

ところで、先ほど、ディーラーの査定は『イエローブック』を基準にしていると説明しましたが、では「10年落ち」はイエローブックに「0円」と記載されているのでしょうか?

実は「下取り査定0円」の査定基準は、イエローブックの情報をもとにしたものではありません。

高年式車の査定の計算式

中古車の価格は、最初の数年間は急降下するかのように値下がりし、5年で半額にまで下落、5年を過ぎたあたりから緩やかに値下がりするという傾向があります。

例えば、新車時の定価が200万円の車であれば、

1年 180万円
2年 165万円
3年 150万円
4年 125万円
5年 100万円
6年 90万円
7年 80万円
8年 75万円
9年 65万円
10年 60万円

という風に、最初の5年間は20〜30万円ずつ下落しながら、5年目に半額になり、以後は1年おきに5〜10万円という緩やかな値下がりをみせます。

ここでみなさんにも思い出して頂きたいのが「自分が10年落ちの車を下取りに出す時は0円査定なのに、中古車販売店の店頭で同じくらいの車を見ると50万円くらいで売られている」というシーン。

おそらく、かなりの数の方が同じ経験をしているはずです。

「そんな値段で売れるなら、0円なんかで引き取るなよ!」と怒りたくなりますが、これにはカラクリがあります。

実は、ほとんどのディーラーで、5年を過ぎた中古車はイエローブックの情報ではなく、ある『計算式』で導き出された基準額をもとに査定をしています。

その計算式とは、
“ 新車価格−(新車価格×年数×1/10) ”
です。

この計算式を使って、先ほどの新車価格200万円の車を査定すると…

  • 5年 ー 200万円×(200万円×5年×1/10)=100万円
  • 6年 ー 200万円×(200万円×6年×1/10)=80万円
  • 7年 ー 200万円×(200万円×7年×1/10)=60万円
  • 8年 ー 200万円×(200万円×8年×1/10)=40万円
  • 9年 ー 200万円×(200万円×9年×1/10)=20万円
  • 10年 ー 200万円×(200万円×10年×1/10)=0円

このとおり、5年を基点にして先ほどの価格動向よりも安い査定額が導き出される結果になります。

そして「10年落ち」と呼ばれる状態になると、まさかの0円!

ディーラーの「下取り査定0円」の正体はココでした!

なぜこんな計算式がまかり通っているのかというと「ディーラーが買い換えを勧めやすくするため」です。

基点となる5年は、新車購入後の初めての買い換え時になります。

  • 2回目の車検を契機に
  • 5年も乗ってると、ちょっと飽きてきたかな
  • 最新モデルの車を買ったけど、5年も経つとマイナーチェンジ・フルモデルチェンジされてしまい「古い」感じがする

こんなことを感じて買い換えを考え始めるのが5年。

この5年を過ぎると、色々な機会に車の買い換えを考えるようになりますが、例えば新車購入後8年のマイカーの中古車市場での相場が75万円だと「まだまだ価値があるし、買い換えはもうちょっと待とうかな…」と踏みとどまってしまいます。

「目的は新車を売ること」のディーラーにとって、中古車市場の相場ははっきり言ってジャマになることが多いのです。

そこで、5年を超えた車は新車価格と経過年数を基準にした計算式によって査定して「こんなに価値が下がっているから、買い換えが賢いですよ」というセールストークの材料にしているわけです。

しかも、安く下取りしてオークションで高く売ることができるわけですから、ディーラーとしては新車も売れて下取り車で利益も出るから両得ってことになります。

ディーラーでマイカーを下取りしてもらって新車に買い換えする方のほとんどが「年式が古いから仕方ないよなぁ」と自分を納得させて諦めてしまいますが、このカラクリを知っていれば下取りを利用する人なんてほとんどいなくなるかも知れませんね。

結論!やはりディーラーの下取りは損をするということだった

ディーラーの下取りは損をするという情報の真相を究明した結果、みなさんがご存知の「ディーラーでの下取りは損をする」というウワサは真実だったことが判明しました。

冒頭の検証でも紹介したとおり、ディーラーでの下取り査定額が0円でも、車買取り業者での買取りを活用すれば数十万円の値がつくことが分かりましたが、車買取り業者の利用に便利なのが『車の一括査定サイト』です。

車の一括査定サイトとは、査定してもらいたい車の車種・年式・走行距離などのカンタンな情報と、申込みした人の連絡先などを入力するだけで、複数の車買取り業者に一括で査定見積りを送信するサービス。

すぐに電話やメールで車買取り業者からおおまかな査定額が提示されるので、あとは高値が期待できる車買取り業者に実際に車を見てもらって詳しい査定をするだけです。

高額査定額をゲットするには無料一括査定で相見積もりをする

車買取り査定の査定額をアップさせる裏技が『車の無料一括査定の相見積もりです』です。

相見積り、つまり「複数の業者に買取り査定をお願いして競合させる」ことで、さらなる査定額アップを狙うことができます。

一括査定の裏ワザ①車買取業者を複数社で競わせる

筆者が車買取りで高額を引き出した裏ワザ、それは「車買取り業者同士を競合させる」ことです。

筆者の場合、最初のおおまかな査定額が出揃ったところで、査定額が高かったA社・B社・C社の3社に限定して実際の査定を申し込みました。

最初のA社の査定時には「ほかにも数社に査定をお願いしているんですよ」と匂わせておきます。そこで、A社が50万円を提示したとしましょう。

この時点ではA社には保留を伝えておき、さらにB社には「A社さんは50万円って言ってるよ」と伝えます。

次のB社には「A社さんの査定額は50万円で、あとはC社さんにも査定をお願いしているんですけど、B社さんはいくらですか?」と他社の存在を知らせます。

そこでどうしてもその車を仕入れたいB社は「それなら55万円で買取りますよ」と査定額をアップしてくるので、さらにそれも保留。

最後のC社には「A社さんは50万円で、B社さんは55万円だったんですけど、あとはC社さんの査定だけなんですよね」と最後の一押し感を猛アピール。

C社がその車を仕入れたければ「限界で60万円です!」とさらに査定額をアップさせてくれます。

大切なのは、どの車買取り業者にも査定が終わった時点では「他社の査定と見比べて決断しますね」と回答を保留しておくこと。

保留しておくことで、さらに「御社に買い取ってもらいたい気持ちが強いんですけど、他社さんと査定額が変わらないんですよね」と最後のアピールをすることも可能になります。

一括査定の裏ワザ②ディーラーにも買取業者に査定してもらっていることを伝える

また、ディーラーでの下取り査定が0円でも、車買取り業者の買取り査定を活用して下取り査定額をアップさせることもできます。

ディーラーとしてはどうしても新車を買って欲しいと考えているので、車買取り業者の査定結果を提示すれば

  • 下取り額をアップする
  • 下取り額をアップできない分、車両本体価格を値引きする
  • 下取り額アップ・車両本体価格の値引きができなければ、オプションを割引く

などのサービスを提案してくれる可能性があります。

ディーラーではショールームの営業マンにも月々の販売ノルマが課せられているので「この車の価値をもっと高く見積もってくれれば新車を買うのになぁ」と匂わせればちょっとムリをしてでも頑張ってくれることもあります。

車買取りの相見積りを活用して、上手に車を高く売りましょう。

どちらが高く車を売ることができる?中古車の買取と下取りの違いを解説のまとめ

ここまで読んで頂ければ、自動車の『下取り』と『買取り』の違いはバッチリ理解できたはずです。

重要なのはこの3点です。

  1. 『下取り』が有効なシーンと『買取り』が有効なシーンの違いを理解して使い分ける
  2. 『買取り』は1社だけでなく複数の業者に競わせて査定額をアップさせる
  3. 『下取り』の場合でも『買取り』の査定額を引き合いにして下取り価格や値引きのアップを狙う

黙ってディーラーの言いなりになって下取りしてもらうのも、1社の車買取り業者の査定に満足して買い取ってもらうのも、どちらも『損』です。

車の無料一括査定サイトを上手に活用して、賢く自動車を売却・購入しましょう。

車を売る前に査定額の相場を知っておこう

ディーラーの査定で実際にこんなことがありました・・・

査定士
佐藤様、査定が完了しました!

本体の査定額は32万円になります。

今キャンペーン中なので特別に35万円になります。

佐藤さん
えっこれって高いのかな!?よくわからんなぁ・・・

車の相場を知らないと、適正価格がいくらだかわからず安値で売ってしまう可能性があります。

そうならないためにも複数の業者に査定して、一番高いとこに売るようにしましょう!

車の無料一括サイトで査定してみたところ、このような価格がでました↓↓

なんとディーラーより買取業者の方が30万円も高かったのです!!

話によると下取査定で0円だった日産ノートが10万円で売れたケースもあるのであなどれません。

⇒ かんたん車査定ガイドで高く査定してもらえる理由とは?

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